岡田美智男:『弱いロボット』、シリーズ ケアをひらく、医学書院 (2012).

「とりあえずの一歩」を支えるために。 ゴミは見つけるけれど拾えない、雑談はするけれど何を言っているかわからない――そんな不思議な「引き算のロボット」を作り続けるロボット学者がいる。彼の眼には、挨拶をしたり、おしゃべりをしたり、歩いたりの「なにげない行為」に潜む“奇跡”が見える。他力本願なロボットを通して、日常生活動作を規定している「賭けと受け」の関係を明るみに出し、ケアをすることの意味を深いところで肯定してくれる異色作!

医学書院
岡田美智男:『〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション』、講談社現代新書 (2017)

ひとりでは何もできないロボットとともに、コミュニケーションについて考えてみた――。人とロボットの持ちつ持たれつの関係とは? 自分ではゴミを拾えない〈ゴミ箱ロボット〉。人の目を気にしながらたどたどしく話す〈トーキング・アリー〉、一緒に手をつないで歩くだけの〈マコのて〉……。 〈弱いロボット〉の研究で知られる著者が、自己、他者、関係について、行きつ戻りつしながら思索した軌跡。

講談社
 川上浩司編著『不便益:手間をかけるシステムのデザイン』、(2017).

現代のビジネスや社会は,何事につけても便利・速さ・効率を中心としている.こういう現代社会に対して,不便であるがゆえに生み出される創造力や注意力,思いやりといったことの重要性をもう一度見直すために「不便益」という考え方を、著者らは提案している.

(岡田美智男:〈弱いロボット〉と人とのインタラクションにおける不便益、第7章、pp.115-128)

近代科学社
渡邊淳司/ドミニク・チェン 監修・編著:『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術』、ビー・エヌ・エヌ新社 (2020)

わたしの幸せから、わたしたちの幸せへ。これからの社会に欠かすことのできないウェルビーイングを、包括的に捉えるための視点と方法。「個でありながら共」という日本的なウェルビーイングのあり方とは―。

BNN新社
ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 (著):『レジリエンス』、ハーバード・ビジネス・レビュー EIシリーズ、ダイヤモンド社 (2019).

グローバル化が進み、AIによる仕事の再構成が見込まれ、ますますストレスフルな社会にあって、「レジリエンス」(再起力)に注目が集まっています。

日本語版への解説は、機能至上主義と一線を画す「弱いロボット」と人間のコミュニケーションを研究されている豊橋技術科学大学の岡田美智男教授。

ダイヤモンド社
「モビリティと人の未来」編集部編:『モビリティと人の未来 ― 自動運転は人を幸せにするか』、平凡社 (2019).

自動運転の実用化が私たちの生活に与える影響は、自動車そのものの登場をはるかに超える規模になる。いったい何が起こるのか、各界の専門家が領域を超えて予測する。

  • 岡田美智男:ロボットとしての自動運転システム–〈もうひとりの運転主体〉とのソーシャルなインタラクションにむけて
平凡社
岡田美智男、松本光太郎(共編):『ロボットの悲しみ コミュニケーションをめぐる人とロボットの生態学』、新曜社(2014)

人助けのために生まれながら,本当に人の代わりにはなれないロボット。介護の現場など,日常生活の中に繰り出し始めたロボットと人はどうコミュニケーションしあえるのか? ロボット開発者の常識破りの発想と心理学者の鋭い観察から生まれた一冊。

 

新曜社
河野哲也編:『知の生態学的転回3 倫理 人類のアフォーダンス』、東京大学出版会 (2013).

記号、言語、文化、暴力などに潜在するアフォーダンスを精査し、より善き生を営む術としてのエコロジカルな倫理学を構想する。社会的コミュニケーションにおけるギブソン理論の可能性の探求。

(岡田美智男:人とロボットとの生態学的コミュニケーション、pp.29-52)

東京大学出版会